ゆとり世代の何が悪い。
会社に入ってからというもの、自分がゆとり世代なんだと思わされる事が多々あった。
きっと新入社員として入ったあなたならば、この感覚は理解いただけると思う。
自主性がない。積極性がない。説明が下手。子供すぎる。甘い。
一回りもふたまわりも年増の上司から、散々に怒られた。
何くそっと思う事もあった。今に見てろと奮起した事も何回もあった。
しかし、今まで23年間受けてきた環境がそう簡単に変わるはずもなく、また同じことの繰り返し。自分に自信をなくして落ち込んだ。
私たちはゆとり世代ど真ん中だ。
ゆとり世代って、従来の詰込み型教育から、ゆとり教育に切り替えられた事が語源だという。
ただ、自分は、今のゆとり世代の特徴を表しているのは、このゆとり教育が問題なのではなく、そこを取り巻く環境が原因になっていると思っている。
小学校から高校まで、ひとクラスの生徒数が25人程度だった。
兄弟の数も2人程度、多くて3人という家庭がほとんどだ。
昔だったら40人も50人もいるクラスで、4人兄弟なんて当り前の時代で育っているから、必然的に自ら主張しないと誰も自分の存在に気づいてはくれない。
例えば授業で意味不明な部分があった時、手を挙げて質問しないと授業がそのまま進んでしまい、取り残されてしまう。
しかし、私たちの世代は、20人程度だから、頭を悩ませている生徒がいると、先生がそれに気づき、丁寧に教えてくれる。つまり自分から分からない事を主張しなくても、向こうが勝手に自分の異変に気付いてくれるのだ。
さらには寝床、食糧、教育、携帯、あらゆるものが私たちにはあった。
すでに物があふれ、生きていくには何不自由ない生活が、オートマチックで用意されているのである。自分が欲しいと望まなくても、助けてくれと叫ばなくても、誰かがどうにかやってくれる。そんな環境で育ってきたのに、どうやったら積極性なんて生まれるんだろう。
今まで全く必要なかったものを急に求められてもできるわけがないではないか。
空を飛んでみろ。出来ないだと?甘えるな。
この次元である。
ただ、だからと言って、いつまでも被害者面のままでいいというわけではないと思う。
そうやって環境や時代のせいにしても、現状は何も変わらないのは、れっきとした事実なのだ。
社会がそれを求めているのならば、できるように努力をしないと生き残っていくことはできない。
きっと今、偉そうに言っている連中の子供たちが自分たちの部下になる歳頃だろう。
あいつらはきっととんでもないモンスターを社会に送り出してくると思う。
きっと会社を休む時にスタンプ一つで済まそうとするやつが必ず出てくる。
そいつらを思いっきり怒鳴るために、今は耐えるしかないのだ。
頑張っていこう。ゆとり世代。