「海よりもまだ深く」を見ました。
こんちわ。
先日、是枝裕和監督の最新作、「海よりもまだ深く」を見ました。
是枝作品との出会いは前作「海街Diary」でした。
「とにかく美女が見たい」
という不純極まりない動機から見たのが、あまりの完成度の高さに
心打たれまくり。一筋の涙がそれは女優のようにきれいに流れてから
是枝監督の虜になりました。
さて、今作の「海よりもまだ深く」ですが、
なんと言っても樹木希林の演技力に尽きます。
ここまで自然体で演じられる人がいるんだなあ。
って、ど素人ながら感動しました。演技に癖がない
というか、無理がないというか、とにかく溶け込んでる。
特別何かが起こるわけではない、誰にでも起こり得る
日常を映画化できるのは、この人の演技あってこそ
だと感じさせられます。
そこから生まれるセリフも、良い。
「幸せってのは何かをあきらめないと手にできない」
「人生なんて単純よ」
といった深い言葉を、さらっと言えてしまう
器の大きさ。きっと波乱万丈の人生を生きてきた当人
だからこそ扱える言葉なのだと思います。
この作品を見るまで、樹木希林のことは
「ロッケンロールおばあちゃん」
ぐらいにしか思っていませんでしたが、
見方が180°変わりました。
人生経験が豊富になるとこうもあっさりと
言葉を扱ってしまうのかと思うと、
歳を取るのも悪くない。そう思わされました。
何か樹木希林礼賛記事みたいになりましたが、
もちろん他の俳優さんもいい味を出していて、
作品としても大満足です。
決して画面を彩るイケメンがいるわけでも、美女がいるわけでも
ありませんが、(真木よう子の哀愁はマジよかった)
なんでもない日常をなんとなく生きる人達が描かれていて、
色々と足りないところや物足りないところもあるはずなのに
それさえも愛おしく思えるような、そんな映画でした。
今月発売の「SWITCH」樹木希林特集も
ぜひチェックしたいところです。
では。
前職では理不尽が許せなくてすぐに心が荒れてたけど、今は"あ!理不尽だ!"って見つけた瞬間感情を持たないようにしてるから幾分と楽。
— 悠すけ (@xyusuke1567x) 2016年5月26日